ゲームUIメモ

ゲームUIのデザイナーが、気になったことを時々書きます。

【ゲームUI改修考察】FateGO - バトル編

他社ゲームUIの改修過程を見ながら、どういった点が問題だったのか何が改善されたのか、はたまたそこから何を気をつけて制作をすべきか読み取れないかという試みです。

初回は、リリースからずっと遊んでいるFGOをば。
機能面の改善さることながら、純粋なUI的な改修も幾度と無く繰り返されてきました。

今日はゲームの一番コアにあたる「バトル」シーンです。

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[違い]

  • 敵ステータスの表示方法が変化
  • Battleのターン数や敵残存数など進捗情報が増える
  • 味方ユニットもレベルを表示
  • サポートキャラを示すアイコンがテキスト「+SUPPORT」に変更
  • 属性相性関係がカードに追加表示(有利は赤、不利は青)
  • 右サイドボタンのラベルが変更

 

[考察]

① ユーザーが常に見たいものは表示しておく1
わかりやすい点としては、ユーザーが覚えにくい・わかりにくい所が解消されているところです。「サポートアイコン」や「属性相性関係」などがそれにあたります。

特に後者についてはゲームバランスにも関連するのでユーザーも気になります。メニュー画面を開かないと属性相性が見れなかったので、その手間が減るというわかりやすいメリットに繋がっています。

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(1.0.0でのバトルメニュー。相性のほかにもいろいろ項目がある)

 

② ユーザーが常に見たいものは表示しておく2
次に敵ステータスなど状況情報の一覧性があがった点も大きいです。
「全敵に簡易ステータス+狙った敵の詳細ステータス」という組み合わせから、「全敵の詳細ステータス」に変わりました。
これも属性相性と同じで、ユーザーとしては相手を選択しないと十分な情報が見れないというのはストレスでした。加えて見るためには狙う必要があるため、そのまま攻撃フェーズに入ると、間違った敵を狙ったまま攻撃するという誤爆にも繋がっていました。
要素のサイズは小さくなりましたが、一覧性はあがり便利になったといえます。

その他にもバトルのターン数など、バトル全体についての情報も少しずつ増えていきました。これは見せないままにするという手もあったかと思います。

③ ボタンのラベルは中身をできるだけ伝えられるものに
右側の2つのボタン「MENU」と「SKILL」は紆余曲折を経ています。
・「MENU」> 「クラス相性」>「バトルメニュー」
・「SKILL」> 「スキル」>「マスタースキル」

おそらく最初は英語だとわかりにくい、ということだったのだと思うのですが、なぜか「MENU」については「クラス相性」となり意味合いから変わってしまいました。おそらく①の影響で相性関係表を探す人が多く見つかりにくかったのではないでしょうか。
1つ上の画像にある通り、本来はいくつかの項目がまとまって入っているのがバトルメニューです。なので、相性関係がアイコンとしてカードに表示された後はあまりメニューを開いてまで見ることはなくなったのか、逆に他の項目を探せない人が増えてしまったのか、結局は「バトルメニュー」と最初の意味合いに戻ってきました。
このようにいろいろな項目が含まれている場合、なんと表すかは悩む所です。それが一箇所だけなら、「とりあえずそこを開く」という習慣付けもできるのですが、この画面では他にも「令呪」や「スキル」などポップアップ系のボタンが2つもありますので・・・。ゲームに直接関係のない情報や機能は「メニュー」や「オプション」にまとめるというのがベターな気はします。
それにしてもあらゆる所で英語をなんとかねじ込むあたり、FGOのデザイナーには世界観を表現しようと言う気概を感じます。
 


この他、戦闘の高速モードが追加されたと思ったら「宝具発動だけ通常速度」なんて細かい設定も後追いで入ったりと、ユーザー側からの要望がいろいろと反映されている感じがします。

初期に遊んでみたことのある人は、今一度やってみると感触の違いをわかりやすく得られるかもしれません。よければ。

 

Fate/Grand Order

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